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歯肉が下がる? 〜歯肉退縮治療例②〜

今回紹介するのは、下の前歯の歯肉が下がってしまった方に、以前にも紹介した、患者さんの口蓋(お口の上壁)の歯肉を移植する手術(結合組織移植術)を行うことにより歯肉退縮(歯茎下がり)を改善し、審美的な治療結果が得られた治療例です。

 

初診:2018年9月、50代の女性

主訴:歯肉が下がってきた。

歯肉退縮の評価:Millerの分類 class1、Cairoの分類 Type1

治療経過:①ブラッシング指導 ②スケーリング(歯石とり)③結合組織移植術(エムドゲインを併用) ④メインテナンス(治療終了後3ヶ月に一度)

リスク:術後の痛み、口蓋からの出血、移植した歯肉の壊死の可能性

費用:保険外診療

 

まずは、歯肉が下がった原因として考えられる歯磨きのクセ(力が強すぎないか、硬めの歯ブラシを使用していないか、間違った動かし方をしていないかなど)を歯科衛生士が確認し、修正します。原因の改善が認められた後、歯肉退縮に対して歯肉の移植手術を行うことになります。

歯肉退縮の状態を評価するには、Millerの分類 、Cairoの分類 という分類法を用いて診断します。

この患者さんの歯肉退縮の程度の評価としては、Millerの分類 class1、Cairoの分類 Type1となるので、手術により歯茎下がりの改善の可能性は高いと考えられました。その他にこの手術の成功の鍵を握る要素として(この手術に限らず、すべての外科処置に言えることですが)、喫煙の有無があります。喫煙者は歯肉の治りが悪く、結合組織移植術の適応外となります。

患者さんには約一年ほど前まで喫煙歴があったことから喫煙者は当院では結合組織移植術の適応外です、手術の予後が悪い可能性があることを説明しました。しかし、歯肉退縮改善への強い希望とリスクについての理解が得られたため結合組織移植術を行いました。今回は歯肉の治癒の促進のため、エムドゲインを併用しています。

手術前と手術後の写真です。歯肉退縮した部位(黄色い枠の中)に、完全ではありませんが、歯肉が再生していることがわかります。

 

あまり馴染みのない治療法かもしれませんが、歴史のある外科処置です。すべての歯肉退縮が手術で改善する訳ではありませんが、歯茎下がりでお悩みの方、ぜひ一度当院までご相談にお越しください。