歯周病と糖尿病。
一見、何の関係もないように思える二つの病気ですが、実はコインの表と裏のような密接な関係にあるのをご存知ですか?
日本糖尿病学会では、糖尿病を「インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群」と定義しています。血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが十分に分泌されない、もしくはインスリンが効きにくくなった状態が慢性的に続くことにより糖尿病を発症します。
2017年の厚労省の調査によると、本邦における糖尿病患者と糖尿病予備軍は約2000万人と言われています(実際は4000万人程度ではないかという調査もあります)。高血糖状態が続くと、喉が乾きやすくなる、トイレが近くなる、急激な体重減少や、疲れやすいなどの症状が出ますが、それ以外は自覚症状に乏しいのも糖尿病の特徴です。(歯周病は成人の約8割が罹患していると言われ、初期には症状がほぼありません。これも歯周病と糖尿病の似ている点ですね。)
糖尿病を診断する上で、非常に重要な検査項目がHbA1c(ヘモグロビンA1c)という数値です。皆さんも健康診断の血液検査でこの数値を見たことありませんか?
糖尿病が進行すると、違う病気を引き起こします(これを合併症と言います)。糖尿病で昔から有名な3大合併症に、神経障害、網膜症、腎症があります(頭文字をとって、シメジと覚えましょう!)
それ以外に、命に関わる合併症として、末梢動脈疾患(足壊疽:えそと読みます)と脳心血管障害(脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞)があり(壊疽、脳梗塞、狭心症の頭文字をとって、エノキと覚えましょう!)、糖尿病の5大合併症といわれていました。
近年、この糖尿病の5大合併症に加え、6番目の合併症として言われているのが歯周病なのです。
歯周病と糖尿病の関係を調べた調査はたくさんあります。
・糖尿病患者は歯周病になりやすく、重症化しやすい。
・歯周病患者は糖尿病になりやすく、糖尿病合併症も起こしやすい。
・糖尿病だと歯周病に2.6倍なりやすく、歯周病だと糖尿病に2.27倍なりやすい。
・重度の歯周病はHbA1cを悪化させる。
・重度歯周病の治療はHbA1cを改善させる(0.4~0.7%低下すると言われています)。
これらの報告からわかるように、歯周病と糖尿病は、双方向性の関係にあるのです。
日本糖尿病学会による糖尿病診療ガイドラインでは、「2型糖尿病では歯周病治療により血糖が改善する可能性があり、推奨される」と明記されています。
同じく、日本糖尿病学会から出版されている「糖尿病治療ガイド2022-2023」には、糖尿病診療において日頃から歯科医と連携を保っておくことが重要と記載されています。
糖尿病と歯周病の密接な関係、ご理解頂けましたでしょうか?歯周病も糖尿病も、国民病と言えるほど患者数が多く、身近で怖い病気です。
当院の院長は、日本歯周病学会専門医であり、日本糖尿病協会登録歯科医です。
糖尿病や糖尿病予備軍と診断されたら、当院まで歯周病の検査・治療にお越しください。その際、糖尿病連携手帳をお持ちでしたら、ご持参ください。

