歯周組織再生療法
〜エムドゲイン治療例④(侵襲性歯周炎)〜
以前のブログでも取り上げましたが(2017.3.16のブログをご参照ください)、歯周病は中高年だけの病気ではなく、時には若い人にも発症します。
これを侵襲性歯周炎といい、以下のような特徴があります。
①進行が早い
②プラークの付着量と関係しない
③家族内発現を認める
④限局型の侵襲性歯周炎では、前歯と第一大臼歯で骨吸収(骨が溶けること)を認める
⑤10歳から30歳代で発症
⑥日本人の発症率は1000人~2000人に1人
今回は侵襲性歯周炎の患者さんに歯周病治療を行い、長期的に安定している症例を紹介させていただきます。
私が、大学病院勤務時代からの患者さんです。
初診:2006年2月、20歳の女性
主訴:右下奥歯の違和感
診断名:限局型侵襲性歯周炎
治療経過:①ブラッシング指導②スケーリング(歯石とり)③ルートプレーニング(汚染された歯根の滑沢化)④歯周外科治療(エムドゲインと自家骨を用いた再生療法)⑤メインテナンス(治療終了後、2007年から3ヶ月に一度、現在まで継続中。)
患者さんは20歳の女性でした。右下の奥歯の違和感を訴え、来院されました。初診時のレントゲン(左下)を見ると、第一大臼歯周囲の骨が溶けていることがわかります(黄色い枠の中)。細菌検査を行ったところ、侵襲性歯周炎の原因菌とされている(侵襲性歯周炎の原因菌に関する考え方は諸説ありますが)、Aggregatibacter actinomycetemcomitans が検出されたことから、侵襲性歯周炎と診断しました。
治療法は、侵襲性歯周炎だからといって特別なものではなく、一般的な歯周病治療と同じです。しかし、病気の進行が早いため、より積極的な治療(歯周外科治療)が推奨されます。歯周基本治療(歯ブラシ指導や歯石取りなど)後、患者さんの同意を得て、エムドゲインを用いた歯周組織再生療法を行いました。
右下のレントゲンがエムドゲイン治療後9年経過時です。第一大臼歯の周囲の骨が再生し(黄色い枠の中)、長期間に渡って安定しているのがわかります。
患者さんは、この10年間で就職、結婚、出産、育児という重大なライフイベントがありましたが、一本の歯も失わず、健康な口の中を維持しています。
曳舟デンタルクリニックでは、歯周病治療を通じて患者さんの人生の手助けをできればと考えております。歯周病でお悩みの方、是非一度当院までお越しください。
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