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親知らずの活用法 〜歯牙移植治療例〜

不幸にも虫歯や歯周病で抜歯になってしまった場合、歯を失った場所に新たに歯を入れて機能を回復する必要があります。この治療法を「欠損補綴」と言い、入れ歯や、ブリッジ、インプラント治療などがありますが、その他に歯牙移植という方法があります。この方法は、歯を失った部位に自分の歯(主に親知らず)を移植する方法です。歯の根と骨の間には、歯根膜というクッションのような役割をする薄い組織があります。この歯根膜を最大に活かし、自然な歯の感覚を取り戻すことが可能になることが歯牙移植の最大の特徴です。

今回は、虫歯で抜歯した部位に親知らずを移植し、経過良好な症例を紹介します。

初診:2017年5月、26歳の女性                                    主訴:右下の奥歯が痛い。                                      治療経過:右下の奥から2番目の歯は、深い虫歯と根の先に大きな病巣があり(左下レントゲン黄色い枠内)、保存不可能で抜歯。右下の親知らずの状態が良好だったので、抜歯部位に歯牙移植を行い(下中央レントゲン)、移植した歯の治癒期間を待ったのち根管治療(根の治療)を行っています。治療終了後のレントゲンで(右下)、移植した親知らずが安定しているのが確認できます。                    費用:保険診療(症例によっては保険適応外になることがあります)                   リスク:移植した歯が生着しないことがあります。

 

歯牙移植が成功するには限られた条件が必要であり、また移植した歯がうまく生着しないこともあります。しかし、成功した時のメリットは、自分の歯を活用できるという点で他の欠損補綴治療に勝ります。歯を失った時の治療の選択肢の一つとして検討する必要があると考えています。