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令和の予防歯科? 

8/4(土)、御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターで開催された、インターアクション株式会社主催の臨床セミナー『チームで知りたい!これからの歯周病患者の治療と管理』に、当院の衛生士と計5人で参加してきました。

講師は、大阪大学予防歯科学教授の天野敦雄先生と、にしだわたる糖尿病内科院長の西田亙先生。天野先生は、最新の虫歯と歯周病の病因論について、西田先生は、医科の見地からの歯周病と全身疾患の関連や、医科歯科連携の重要性についての講演でした。今、講演会で日本全国で引っ張りだこの講師のジョイントセミナーということもあり、参加者は北は青森から南は沖縄まで約200名の参加者を集め、大変大盛況でした。

さて、皆さんは定期的に歯科医院でメインテナンスを受けていますか?最近はメインテナンスの重要性を理解されている方も増えてきましたが、まだ、痛くなって初めて重い腰を上げて歯科医院にかかるという方も多いのではないでしょうか?

では、なぜ、痛くもないのに歯科医院を受診しなければいけないのでしょうか??

皆さんが、毎日歯ブラシで落としているのがバイオフィルム(プラーク)という細菌の塊です。このバイオフィルム中の細菌は、時間とともに病原性を高めていきます。この現象をMicrobial shiftといい、高病原化したバイオフィルムと歯や歯肉との均衡関係が破綻し、虫歯や歯周病になります。虫歯や歯周病の真の予防は、このバイオフィルムを徹底的に管理しMicrobial shiftを取り除くこと。そのために、患者さん自身によるセルフケアと定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要になるのです。

また、進行した歯周病は、糖尿病や心臓の病気、誤嚥性肺炎、腎臓病、関節リウマチなど100以上の全身の病気に影響を与えるとことが知られています。特に糖尿病と歯周病はコインの裏表のような密接な関係にあり、糖尿病が悪化すると歯周病も進行し、また、歯周病を治療すると糖尿病も改善すると言われています。そしてこの二つの病気を繋げるキーワードが「慢性炎症」です。慢性炎症は生活習慣病やガン、老化そのものにも関わっていることが近年明らかになりつつあり、この慢性炎症をコントロールすることがこれからの医療のポイントになります。この慢性炎症の原因には、喫煙、肥満、ストレス、糖尿病などが挙げられますが、歯周病(歯周炎)も重要な原因の一つであり、歯周炎を予防することが慢性炎症から始まる様々な病気を予防することに繋がるのです。

令和の予防歯科は「口腔から始まる全身への感染と炎症を生涯にわたり予防する」ことが求められます。歯が痛いから歯医者に行く、痛くないから行かないといった昭和の価値観から脱却し、全身の健康を守るために歯科医院での定期的なメインテナンスを受けるようにしてみてはいかがでしょうか?