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歯周組織再生療法 10年経過症例 
〜GTR法 治療例〜

現在、歯周組織再生療法には、主にエムドゲインやリグロスなどの再生材料が使われていますが、その他にGTR法(歯周組織再生誘導法)という方法があります。1982年にDr. Nymanにより臨床応用されたこの方法は、1990年代後半にエムドゲインが開発されるまで歯周組織再生療法の主役でした。

この方法は、GTR膜という遮断膜を骨が溶けてしまった部分に設置し、歯周組織を再生する細胞を誘導しようという再生療法第一世代の手術法です。日本でも2008年から保険適用になっています(※当院にてGTR法は保険診療に対応しておりません)。

術式が非常に難しく、エムドゲインの登場により再生療法の主役の座は譲りましたが、現在でもエムドゲインや骨移植などと組み合わせて使用することがあります。

今回紹介させて頂くのは、大学病院勤務時代の治療例です。GTR法GTR膜と自家骨移植を併用)を行い、抜歯寸前の歯の保存に長期間成功している症例です。

 

初診:2007年6月、34歳の女性

主訴:上の前歯の歯肉が腫れた。他院で抜歯と言われた。

診断名:広範型重度慢性歯周炎

治療経過:①ブラッシング指導 ②スケーリング(歯石とり) ③ルートプレーニング(汚染された歯根の滑沢化)④根管治療 ⑤歯周外科治療(吸収性GTR膜を用いた再生療法) ⑥補綴治療(セラミッククラウン) ⑦メインテナンス(治療終了後 3ヶ月に一度)

費用:歯周外科治療(GTR法:保険適応、現在は当院でGTR法は保険外診療となります)、補綴治療(セラミッククラウン:保険外診療)

初診時のレントゲン写真(左端)を見ると、上顎の前歯(黄色い枠の中)の骨が歯根の先端付近まで溶けているのがわかります。歯周基本治療(ブラッシング指導、スケーリング、ルートプレーニングなど)の後、GTR法GTR膜と自家骨移植を併用)を行いました。上顎の前歯4本は動揺していたため、セラミッククラウンで連結固定しています。

 

治療終了時のレントゲン写真(左から2番目)を見ると、再生療法により骨が再生していることがわかります。治療後も、患者さん自身による日頃の徹底したケアと、3ヶ月に一度のメインテナンスを欠かさず受け続けたことにより、2年後(右から2番目)10年後(右端)と、再生した骨と被せ物の両方が良好な経過をたどっていることがわかります。

他院で重度の歯周病で抜歯と診断された方、ぜひ一度当院までお越しください。曳舟デンタルクリニックでは、様々な歯周病治療のオプションを駆使し、可能な限り歯を抜かずに治す治療を心掛けています。