歯肉退縮の原因には、
①誤った歯磨きによる歯肉のダメージ
②顎の骨と歯の位置の不調和
③歯周病の進行
④矯正治療
⑤歯ぎしり
といった要因が挙げられます(詳しくは2018.11.20のブログをご参照ください)。
また、歯肉退縮を調査した文献によると、
・歯肉退縮の9割に歯列不正があり、4割にブラッシングによる歯肉の損傷を認められた。
・歯肉退縮の出現は口腔衛生状態の良し悪しに関わらず出現する。
・歯肉退縮の放置は進行するが、抜歯になることはない。
と報告されています。
歯肉退縮を放置することにより、さらなる歯肉退縮の進行や、ブラッシング時の痛み、知覚過敏、露出した歯根の虫歯(根面う蝕)などが起きる可能性があります。
では、歯肉退縮は治らないのでしょうか?
一度下がってしまった歯茎が自然に回復することはほぼ無く、また歯周病の進行で歯肉を支える骨がなくなってしまった場合も歯肉退縮の改善は難しいのですが、ブラッシングによる歯肉のダメージや、矯正治療後の歯肉退縮などでは、外科的な方法で回復させることができます。結合組織移植術という手術で、患者さんの口蓋(お口の上壁)の歯肉を、歯肉退縮している部分に移植する方法です。
結合組織移植術で歯肉退縮を改善した症例を紹介します。
初診:2014年6月、19歳の女性
主訴:歯の根が見えてきた、抜けてしまわないか心配。
治療経過:①ブラッシング指導 ②スケーリング(歯石とり)③結合組織移植術 ④メインテナンス(治療終了後3ヶ月に一度)
費用:保険外診療
患者さんは、硬めの歯ブラシでゴシゴシ磨きを行う習慣がありました。また、右利きの方は主に左側の歯(左利きの方は右側)を磨きすぎてしまう傾向にあり、無意識にブラッシングの過度な力が加わっていたと思われます。
硬めの歯ブラシを柔らかめに変更し、歯ブラシの持ち方や動かし方を確認、修正した後、結合組織移植術を行うことになりました。
手術前と手術後の写真です。歯肉退縮した部位(黄色い枠の中)に、歯肉が再生していることがわかります。

全ての歯肉退縮が手術で治る訳ではありませんが、お悩みの方、ぜひ一度当院までご相談にお越しください。
